「デジモンアドベンチャー02」の問題点（1）- 第3クール

ここからが本題。この「デジモンアドベンチャー02」、最初こそうまく話

が展開していったのだが、第3クールが始まった頃からおかしくなってくる。

第2クール終盤、選ばれし子どもたちはデジモンカイザーを倒すこととなる。

その後の関心事としては、デジモンカイザーを操っていた黒幕は誰か、ということ

なのだが、しかし、その黒幕が一向に現れない。

代わりに出てきた敵は、明らかに小物。

誰かの命令で動いているようなことはなく、その目的が「世界を混乱させる」こと

としか言わず、存在感がまるでない。

デジモンたちはといえば、おそらくスポンサーのバンダイの都合により、

当初のアーマー進化は殆ど出てこなくなり、代わりに2体のデジモンが合体する

「ジョグレス進化」がメインとなるのである。

このジョグレス進化したデジモンは合計3体登場するのだが、そのためは、

各子どもたちのデジモンを合体できる段階まで進化させなくてはならないので、

進化の話が増えることになる。

進化の話が多くなるのはデジモンだから当然なのだが、相手がはっきりとした敵

ではなく、話も進まないので、なんだか場当たり的に目の前の時間を消費するためだけ

に進化の話を入れているように感じられた。

そうそう、ジョグレス進化といえば、シャッコウモン。

かっこよさのかけらもない。

制作陣は何を考えていたのやら。

このように、漫然と話数が進む中、更に話をややこしくしたのが、その存在感のない敵

が生みだした「ブラックウォーグレイモン」である。

一応、敵側が作ったデジモンであるが、彼はその敵の命令は聞かずに自分の思うままに

行動するので、更に話は混沌としてくる。

全く話の構成が酷い。

酷いといえば、この第3クールで、前作と今作の間の3年間に、一度だけ、

旧選ばれし子どもたちがデジタルワールドに来ていたという驚愕の事実が発覚する。

あの感動の前作最終回から3年ぶりにパートナーのデジモンに再開した

旧選ばれし子どもたち、と思っていたのだが、実は違っていたとは・・・。

つじつま合わせのために必要だったとはいえ、視聴者への裏切りである。

ともかく、こんなふうに、第3クールは

ダラダラと話の方向が定まらずに進んでいったのである。